仕事が終わって、保育園にお迎えに行き、帰宅するとバタバタと夕飯作り。毎日疲れているのに献立を考えてキッチンに立つのが辛い。そんな時に思いつくの作り置き。お料理の時間を削減できるのは本当に時間にゆとりができるのですが、こんな声をよく聞きます。
作り置きって最初は頑張るんだけど、だんだん面倒になってきて続かない。
続けるのが一番大変だと思います。やっぱり自分には向かない、と諦める前に、ちょっと待って。もしかしたらあなたに向いている作り置きのやり方が見つかるかも。
我が家は、毎週日曜日に作り置きをしているので、月曜日から水曜日は基本的に料理をしません。作り置き生活は子供が生まれる前から始めていて、いまや7年目。作り置きに頼る日は、帰宅してちょっと座る時間が持てています。座りすぎると動きたくなくなりますが、帰宅してちょっとほっとできる時間、貴重ですよね。
作り置きはちょっと未来の自分の時間への投資。
これまで、ありとあらゆる作り置きに挑戦してきた私は最近、作り置きにはいくつかのやり方があることに気づきました。ご家族の好み、生活スタイル、こだわり、そういったものに合わせて作り置きのやり方を変えてみると、もしかしたら誰でも作り置きが続くかもしれない。
今回は作り置きのスタイルを4パタンに分け、お料理本のおすすめと共に書いてみます。読んでくださる方それぞれに合ったやり方が見つかって少しでも生活が楽に感じられれば嬉しい!
目次
作り置きは週末に何時間もかけるものと思っていませんか?
続く作り置き、続かない作り置き
そもそも作り置きって何で続かないんだろうねぇ。
まず作り置きと言って思いつくのが、料理を完成させた状態まで作ってしまい、冷蔵庫に保管して少しずつ食べていくやり方があります。
え、「あります」って作り置きって最後まで作っちゃうことだけを言うんじゃないの!?
違うんです、私も作り置きといえば、下ごしらえ、加熱から調味まで終わらせてしまうことだと思っていたのですが、それはあくまでも一つのやり方。
完成させるところまで何品か作るとなるとそれなりに作業時間もかかるので週末に時間をかけてドッと疲れてしまったり、せっかく時間をかけて作ったのに家族に食べてもらえなくてがっかりして嫌になったり。
これが続かない原因なのだとしたら、他にも作り置きにはやり方があるので、自分に合った作り置きの方法を探せてしますか?と少し考えてみたい。
あなたに向いている作り置きは何タイプ?
作り置きの仕方って実は色々あるんです。
私がこれまで試してきた作り置きは4つのタイプに分類されます。
- 平日は並べるだけの「完成品作り置き」
- 「七変化するおかずの素」で毎日短時間料理
- 「自家製ミールキット」を冷凍庫に常備秘儀
- 「市販のミールキットかさ増し」
あれこれ散々試して、我が家は冷凍の自家製ミールキット以外、3タイプを組み合わせて生活を回しています。
なんで、冷凍の自家製ミールキットは続けていないのかって?
その深い訳、いやさほど深くない訳も含め、これまでに試してきた4パターンを、それぞれのやり方に向いている方のタイプ、作り置きを続けるためのコツ、各々のやり方にオススメのレシピ本を併せてご紹介していきます!
タイプ別の作り置き4パターンを大解説
平日何もしたくないなら、「完成品作り置き」
まず、作り置きと言って思いつくのが、料理を完成させた状態まで作ってしまい、冷蔵庫に保管して少しずつ食べていく方法。これを「完成品作り置き」と呼びましょう。
我が家はこのやり方だけで作り置きをしていた期間が長く、子供が生まれるまで4年くらいは「完成品作り置き」一択でした。最後まで作っちゃう方法があなたに向いているなら、一番平日楽できる方法です。
- とにかく平日はできるだけ料理を作りたくない!
- 平日に料理に使ったお鍋を洗うのが苦手冷凍した野菜の食感が苦手
- 毎日同じものを食べ続けるのを厭わない
- 週末にまとめて作業する時間が取れる
最後まで料理を作ってしまうので、平日はお皿に装って電子レンジでチンするだけ。お米は炊くかもしれないけど、平日の作業量はミニマム中のミニマム。取り分けのお箸とお皿しか使わないので、鍋を洗ったりガスコンロを拭く時間も必要ありません。
その代わり、週末などの作り置きの作業には、ある程度まとまった時間を取る必要があります。我が家も慣れるまでは日曜日に3-4時間…最近は2時間程度費やしています。週末に外出することが少ないご家庭や、お料理好きでまとめて作ることを楽しめる場合に向いています。
- メニューを決めて買い出しに行く日と、調理する日を分ける
- 食べ切りまでの家族の予定(外食やお弁当の有無)を確認しておく
- 日持ちのしやすいレシピを選ぶ
- 保存容器の消毒・取り分け時に新しいお箸を使うなど衛生管理に注意する
とはいえ、週末1日で全て作業しようとすると半日〜1日作業になってしまって作り置きすることに疲れてしまいます。買い出しと可能なら下ごしらえまで前日にやっておくと、だいぶ作業が分散するので継続のコツです。我が家は土曜日が買い出しと下ごしらえ、日曜日の午前に一気に調理してそのままお昼ご飯から食べ始める場合が多いです。
加えて、せっかく作り置いたのに家族が全然食べてくれないと、作業の労力が余計に負担になって、挙句、後半戦ひとりで食べ続けるハメになりかねない。
うちの夫は、毎日同じでも全然構わない、飽きたら適当にお刺身などを買い足して帰ってくるタイプである代わりに、毎日洗い物をやることが多いのでお鍋など食洗機に入らないものは無い方が嬉しいタイプなので、我が家は「完成品作り置き」歴がとても合っているのです。
「完成品作り置き」向きのレシピ本
我が家の「完成品作り置き」バイブルといえば、何と言ってもこの2冊。「ひじき煮」のような基礎的なものから、「明太しらたき」のような試したことのないレシピまで載っているのに加え、野菜やタンパク質の種類で並んでいるので、「豚と鶏と魚か大豆製品」などと被らないように数品選びやすい。調理後何日くらい保管できるかのメモの記載もあるので、参考になります。
ストウブを買ってからというもの、作り置きのうちの1品はストウブで作ることが多くなりました。「 食材を切って放り込むだけ」で良いので、調理をストウブにお任せしている間に他の1品をじっくり作れるところがありがたい。同時並行に作業が進められて時間の短縮になります。
毎日味を変えたいなら、「七変化するおかずの素」
新型コロナウイルスによる自粛期間を経て在宅勤務をする日が一気に増加しました。自宅で食事をすることが増えて準備が大変な分、通勤時間の削減で平日でもちょこっと料理をする体力が残るようになったのは生活の変化です。
完成品の作り置きだけだと、どうしても日持ちしやすい同じようなメニューで回すことになるので、マンネリになりがち。そこに変化をもたらしてくれたのが、「おかずの素」でした。
「おかずの素」という表現は、後述するレシピ本「ゆーママ」さんのものだよ。
- 毎週定期的に作り置きはできるが、短時間にしたい
- 出来るだけ毎日味が違うのものを食べたい
- 冷凍した野菜の食感が苦手
- 少しなら平日料理をしたり鍋を洗うのを厭わない
週末に用意しておくのは、ブロッコリーを茹でて、ごま油とチューブニンニクと中華スープの素で和えるだけ。鶏もも肉を醤油などの調味料に入れて茹でるだけの作り置き。
いや、簡単すぎるでしょ!という工程の少なさが、作り置き作業時点での強みです。食材の数も少ないので切る手間も少なく、調理にかかる時間も少ない。出来上がった作り置きはそのまま食べることもあれば、副食材を足して変化させ、ボリュームを出したり味を変えたりします。
例えば、前述のブロッコリーの場合は、むきエビとサッと炒めものにしたり、生ハムと茹で卵でサラダにしたりと味の変化が楽しい。
- そのまま食べるだけでも美味しい「おかずの素」を探す
- 変化させるための追加食材はあらかじめ購入しておく
「おかずの素」 は、とにかく「そのまま食べるだけでも美味しい」ものを探せるかが、忙しいワーママにとって要です。今日は追加食材を投入して変化させようと思ったんだけど、夕飯前には力尽きちゃったから「そのまま食べればいっか」が出来るというのは強い味方。
味を変えるポテンシャルも持っていながら、「完成品作り置き」の楽チンさという良さも備えているところが最強なのです。「完成品作り置き」2品と「おかずの素」1品を組み合わせて週末に作っておくというのが最近の我が家は多いかな。
「七変化するおかずの素」向きのレシピ本
肉・魚・野菜に分類して載っていて、基本的に材料ひとつふたつで作り置きができます。後で副食材を足して変化させるレシピ本です。ゆーママさんは、男子2人のお母さんとのことで、分量はかなり多めで鶏モモ肉6枚!などなので、半量くらいで調節しながら作るのがポイントかも。
ゆーママさんのレシピ本がガッツリ系中心でお腹いっぱいになるのに対し、もう少しおしゃれな七変化が楽しめるのがワタナベマキさんのレシピ本。ネギを切ってオイルに漬けておくだけとか、お肉を味噌に漬けておくだけとか、作り置き段階の工程はこちらの方が少なく、加熱調理は利用する当日が中心です。
毎週末仕込むのが難しいなら、冷凍の「自家製ミールキット」
本屋さんで作り置きのレシピ本を探しているとよく見つかるのが、食材を切ったり味付けだけしてジップロックなどの保存バッグに入れ、冷凍してしまう「自家製ミールキット」。
事前に下味をつけてしまうので、平日に料理をするときは、お鍋に冷凍のまま放り込んでお水を足して蒸し焼きにする程度の手間で作りたてのお料理が楽しめます。平日はまな板と包丁使わないで料理ができるし、冷凍しちゃうから保存期間が長くなるのが、何よりのメリットだよね。
- 毎週定期的に作り置きの時間を確保するのが難しい
- 出来るだけ毎日味が違うのものを食べたい
- まとめ売りで安いスーパーをよく使う
- 少しなら平日料理をしたり鍋を洗うのを厭わない冷凍庫の容量に余力がある
毎週定期的に作り置きの時間を確保するのが難しい出来るだけ毎日味が違うのものを食べたいまとめ売りで安いスーパーをよく使う少しなら平日料理をしたり鍋を洗うのを厭わない冷凍庫の容量に余力がある
近所にまとめ売りで安いスーパーがあれば、お肉を大量に買い込んでしまって、余裕のある週末に一気に自家製ミールキットを作ってしまえます。まとめ買いするとお肉のお値段も安くなるので、節約にもなるし、冷凍すれば1ヶ月程度は持ちますので、冷蔵庫で保管するタイプの作り置きと違って、毎週毎週作業することが必要ないのも大きなメリットでしょう。
- 作りたいものはある程度目星をつけつつ、スーパーまとめ売り特売品を狙う
- 保存バッグは必要経費だと割り切る
- 1日〜翌日のお昼までに食べきれる量に小分けする
- いつ冷凍したか・中身が何かを袋に書いておく
でも、お宅、この方法だけ続いていないんでしょう?
そうなんです、我が家は夫が「冷凍した食材が苦手」。炊いたご飯や完成まで作ったおかずでさえも一度冷凍すると食べてくれません。(市販の冷凍品は食べます。)これが致命的な理由となって、ほとんど出番なし。家族が食べてくれなければ、やる意味がない…冷凍ミールキットだけは続かなかったのです。
この辺りは本当に家族の好み・こだわり・生活スタイルが反映されるところ。我が家には向かなかったけれど、週末にお出かけの予定が定期的に入っているから、作業をまとめたい方など、「これなら続く」ご家庭もたくさんあると確信しています。
「自家製ミールキット」向きのレシピ本
試してみて味とレシピの数が大満足だったのがこちらのレシピ本。お肉の下味だけ付けておいて野菜は食べる日に切って放り込むレシピと、カットした野菜ごと「ミールキット」として冷凍してしまうレシピと両方掲載されているところがポイントです。特に、あらかじめ解凍せずに鍋に放り込んじゃえる作り方が私は好きです。お肉は下味をつけて冷凍すると、お肉に味が染みて柔らかくなるので、ぜひ試してみてください。
料理自体が苦手なら、「市販ミールキットかさ増し」
さて、最後に奥義を披露しましょう。
そもそも料理が苦手な方、特に味付けが苦手な方にオススメなのが、「市販ミールキット」を使う方法。カット済みの野菜や必要な量だけに小分けされたお肉を添付のレシピ通りに調理して、またまた添付の調味タレをかけて完成させるあのミールキットです。
市販のミールキットって、野菜が切ってあって楽だったり材料が半端に残らないし、調味タレが付属しているから考えなくても味が決まるし、ってところが強み。そもそもお料理が苦手、好きじゃない方が手作りの良さを残しつつパパッと作れて悩まないところが良さです。
でも、市販のミールキットってちょっとお高めだし、量が少なくない?
そんな方にオススメしたいのが、「材料を足してかさ増し」しちゃう方法です。足りない?じゃあ増やしちゃいましょう。野菜が足りないなら、スーパーのカット野菜を。タンパク質が足りないなら、ちょっと残り物の挽肉や細切れ肉を投入する、卵2個って書いてある?3個入れちゃえば良し!ってな感じ。
- そもそも料理が好きじゃない
- 野菜を切る時間や味付けに悩む時間をお金で買いたい
- ミールキットを使いたいが、量が少なくて困っている
- 出来るだけ毎日味が違うのものを食べたい
- 少しなら平日料理をしたり鍋を洗うのを厭わない
我が家は、週中にパルシステムのミールキットが毎週届くので、野菜やお肉を少し足して「かさ増し」し、週中作り置きとして食べています。(パルシステムのミールキットは冷蔵で賞味期限が2日程度なので、調理後はお早めに自己責任で。)
- 味付けが美味しいと思えるミールキットを探す
- 変化させるための追加食材はあらかじめ購入しておく
- 費用については、時間&考える手間をお金で買っていると割り切る
「市販ミールキットかさ増し」 にオススメのサービス
毎日新鮮な食材を玄関まで届けてくれるミールキットの第一人者といえば食材宅配のヨシケイ。毎日ですよ!毎日!しかも、生活に合わせて、調理方法が色々選べるのです。実際に試してみてワーママにおすすめなのは、食材が予めカットされているCutMealと、湯煎でもどすタイプのLovyuクイックコースでした。どちらも5日間お試し版があるので、やってみる価値あり。
味は美味しいし、食材は安全だし、とにかく気になるんだけど、ちょっとお高めちょっと量が少なめなのが【kit Oisix(きっと、おいしっくす)】のミールキット。そうそう、こんな時こそ「かさ増し」ですよ!
生協の宅配パルシステム 、おうちCo-opといった生協もミールキットを扱っています。毎週定期的に頼むところに一度、ミールキットを足してみてください。
まとめ:作り置きを続けるコツ=自分流を作ること
長々と書いてきましたが、作り置きにも色々なやり方があること、ご理解頂けたかと思います。
我が家の最近 「完成品作り置き」2品と「おかずの素」1品を週末に作っておいて、平日は「おかずの素」を少し加工しながら食べていき、週中でストウブなどを駆使して1品「完成品作り置き」を作り足し、生協で届く「市販ミールキットをかさ増し」してもう1品作る、というルーチンになっています。週末の作業時間は2時間、平日週中の作業時間も合わせて1時間ちょっと。
こうしたルーチンが出来上がっていくと、「作り置き頑張っている感」に疲弊せずに、自然の流れの中で「作り置き」が生活の一部のなるのかも。
家族のリクエストはあるか、好みはあるか、平日は家でご飯を食べるのか、週末の外出予定は多いのか、料理自体を楽しめるか、こんな要素を考えながら、それぞれに合った作り置きのやり方が見つかると嬉しいです。