1歳クラスが激戦というけれど、実際のところはどうなの?
育児休業給付金の支給が2歳まで延長され、子どもが1歳以上になるまで育児休業を取得される方が増加しています。これは社内の人事データからも明らかで、2歳まで育休取ります宣言も飛び出すほど。
とはいえ、0歳の方が1歳よりも入りやすいと聞くので、のんびり育休を取ってみたもののいざ1歳クラスで預けて復職しようと思ったら保育園に入れなくて退職に追い込まれる、という事態は避けたいですよね。
実際にデータを調べてみたら1歳クラスの方が厳しいことが確認できました。今回は、1歳クラスがどれだけ入りにくいのかを平成31年4月のデータを使いながら考えてみます。
1歳児クラスが入りにくい理由
1歳クラスと0歳クラスの入園枠数はほぼ同じ
0歳クラスよりも1歳クラスが激戦となる原因には、募集枠と入園希望者数のバランスの違いがあります。
1歳クラスの方が大幅に枠が少ないとか?
川崎市のウェブサイトからをダウンロードして調べてみました。その結果、0歳クラスと1歳クラスの入園枠数には大きな差がないことが判明。(2歳クラス以上になるとガクッと減ります。)区によってほぼ同数のところから、多いところで1歳クラスの枠が0歳クラスの1.2倍(麻生区だけ1.4倍)。
区 | 0歳児 | 1歳児 | 割合 |
---|---|---|---|
中原区 | 559 | 691 | 123.6% |
高津区 | 368 | 445 | 120.9% |
宮前区 | 359 | 383 | 106.7% |
多摩区 | 369 | 358 | 97.0% |
幸区 | 311 | 341 | 109.6% |
川崎区 | 330 | 323 | 97.9% |
麻生区 | 196 | 273 | 139.3% |
総計 | 2492 | 2814 | 112.9% |
【出典】
認可保育所等の受入可能数及び利用調整結果
平成31年4月 保育所等の受入可能数(予定)(一次利用調整分)から家庭的保育事業分を除外して集計
多摩区と川崎区は1歳クラスの方が若干受入枠が少ないですが、ほぼ同数と見て良いでしょう。てっきり、1歳クラスの枠の方が少ないと持っていたので、これにはびっくり。
0歳クラスからの持ち上がりのある保育園ではその分1歳クラスで入園できる枠は限られます。ただし、1歳から0歳の倍ほどに増員する定員構成にしている保育園、1歳から受入を開始する保育園に加えて、新設の保育園で1歳クラス入園をすると持ち上がりの園児がいないため枠が確保されています。
でも、これで安心するのはまだ早い。
受入枠にはあまり差がないけれども、それぞれその枠に何人の人が申し込んでいるの?というのが次に気になるところ。
1歳クラスの方が生まれ月の対象が長い
1歳クラスは、入園する4月以降に1歳になっている(4月以降に2歳になる)お子さんが対象となります。1歳クラスの対象は4月から3月の12ヶ月間に生まれた子供。
一方、0歳クラスというのは、4月時点で1歳にならない3月生まれまでのお子さんが対象となりますが、4月入園の申し込みには締め切りとなる11月時点で生まれていることが条件になっているため、実際には0歳クラスの対象は4月生まれ〜11月生まれまでの子供になります。
クラス | 生まれ月 | 月数 |
---|---|---|
0歳 | 入園前年4月〜11月 | 8ヶ月 |
1歳 | 入園前々年4月〜前年3月 | 12ヶ月 |
12月生まれ〜3月生まれまでのお子さんは選択肢が無く1歳クラスでの入園になります。これに加えて、0歳クラスでの入園を見送り、育児休業を1年以上取得した家庭も1歳児入園を目指します。1歳クラスから保活を開始する家庭も少なく無いため、多くの希望者が殺到するという構図になります。
1歳クラスの方が申請件数が多い
実際に申請数を見てみると1歳クラスの申し込み件数は、0歳クラスの1.8〜1.9倍でした。ここでいう件数というのは、保育園ごとの延べ申し込み件数ですので、第8希望まで書いている方は8件申し込んでいる計算になります。
枠が1.0〜1.2倍にしか増えないのに、1.8〜1.9倍の件数の申請があることから、通説通り1歳クラスの方が難易度が高いと数字が表していると言えます。
区 | 0歳児 | 1歳児 | 増加率 |
---|---|---|---|
中原区 | 4991 | 9319 | 186.7% |
幸区 | 2355 | 4502 | 191.2% |
高津区 | 2214 | 4023 | 181.7% |
多摩区 | 2156 | 3911 | 181.4% |
宮前区 | 1889 | 3581 | 189.6% |
川崎区 | 1917 | 2944 | 153.6% |
麻生区 | 836 | 1600 | 191.4% |
総計 | 16358 | 29880 | 182.7% |
【出典】
認可保育所等の受入可能数及び利用調整結果
平成31年4月 保育所等の利用調整結果(一次利用調整)から家庭的保育事業分を除外して集計
ちなみに、川崎市の認可保育所申し込みでは第8希望まで記載することができます。育児休業給付金の支払い期間が延長したことから考えられるのは、0歳クラスの申請の方が1歳クラスよりも記載する保育園数の平均が少ない可能性。
0歳クラスでは「この保育園に入れるなら育休切り上げても良いところだけ書く」または「絶対に落ちる園を一つだけ記載して育休を延長する」という心理が働くから。一方1歳クラスでは何が何でも保育園に入らないと退職に追い込まれる人もいますので、第8希望まで書く。
上記のデータは延べ人数でみていますので、実際の申込者数は0歳と1歳クラスで1.8〜1.9倍よりも少ないのではないかと予想しています。1歳クラスの方が倍率が高いことには変わりないけどね!
まとめ:0歳クラスの方が倍率が低いことを知っておこう
以上、平成31年度4月入園のデータを使いながら説明してみました。
データが多くてちょっと圧倒されたわ
0歳クラスと1歳クラスでは保育園の入園枠に大きな差は無いものの、申請の延べ件数は1歳クラスの方が多いため1歳クラスの方が入園難易度が高いことが分かりました。
1歳を過ぎても子供と一緒にすごしたいというのはワタシ自身も思うことなのですが、保育園の入園に関してはより厳しくなるということを知った上で選択した方が良さそうです。